ROOTS & ARTS SHIRAOI 白老文化芸術共創

ARTS

芸術

白老エリア

白老駅が設置され急速に発展した大町商店街を含む鉄南地区や、駅設置以前の村役場、小学校、病院など主要な施設が集中していた鉄北地区などを含む白老の中心的なエリア。アイヌの人たちも多く住む地域として、その歴史・文化の一端に触れようと皇族や研究者らをはじめ、たくさんの観光客が足を運んでいた。駅前交差点から役場前までの約520mの区間は、「屋根のない博物館」としてモニュメントや町の歴史を紹介している。

展示・参加アーティスト紹介

2022年8月時点
photo: Masanori Wada
青木陵子+伊藤存
青木陵子+伊藤存

京都在住。青木、伊藤ともに個々に作品制作を行いながら2000年よりアニメーションを中心とした共同制作を始める。近年ではそれぞれの作品を組み込みつつ、展示空間での即興的な造形や展示場所から得た素材を使ったインスタレーション作品を発表。2017年、2019年に参加した宮城県牡鹿半島で開催されたリボーンアート・フェスティバルでは、島の小さな浜辺にあるものだけで何がつくれるかという事を出発点とした野外インスタレーションや空き家から譲り受けた品や使っていない土地、使われなくなっていく技術などを素材にし、自然との対話、人の手により編み出される知恵などの経験をもとに、「人がつくる」ことの可能性を展開させている。

Zon Ito
No matter where you come from you are not a stranger here 2017
photo Kohei Matsumura
となりの入口
古生代のとんぼ、カジキマグロ漁のモリ、台所の神様のスプーン、喫茶休養林を営む相吉正亮さんのつくられた3つの木彫は、どれもが自分たちの日常に無い尺度に繋がっていくものでした。
砂、何億年も前の地球、見えない獲物、知らない国の神様、大きく育つ葉っぱ、小さくなった兎、語られた話、湿原、ヒグマの足跡、記憶の中の土地、馬のつくる道。白老で見たこと、休養林で聞いたこと、3つの木彫を端緒に「知らないことを知ること」について考える事をはじめます。
喫茶 休養林 隣白老町大町2丁目3-10
月曜定休(祝日を除く)
10:00-16:00
Ryoko Aoki
《いらないものを分別している感じ》
2020
photo Mie Morimoto
あの世の入口
アフンルパル「あの世の入口」と呼ばれる、すり鉢状のくぼみのその場所は、元々は役目を終えたものの霊を天上界へ返す「送りの場」の役割を持っていたそうです。役目を終えたものが他界とつながるということについて考えているとき、旧鉄工所で水野さんと出会いました。そこでは日課として不用品のゴミを細かく分解し、分別する作業が旧友とのおしゃべりとともに行われています。この二つのことをもとに、旧鉄工所では今までに捨てられずにいた書き損じのドローイング、虫に喰われた刺繍の絵などの、宙ぶらりんだったものを、別の何かにして置きなおします。
旧堀岡鉄工所白老町東町2丁目2-2
月曜定休(祝日を除く)
10:00-16:00
iruinai
iruinai

2013年に大西由美(キュレーター)・大西隆介(directionQ主宰 / アートディレクター)が立ち上げたアートプロジェクト。人類の想像と創造の復権を掲げ、「イル」と「イナイ」の狭間にあるものを各地の先住民文化に学びながら、展示・上映・出版企画などを行っている。『愛蔵版 イヌイットの壁かけ ―氷原の暮らしと布絵』(誠文堂新光社、2017年)企画・デザイン・編集、「イヌイットの壁かけ展 極北の暮らしと手しごと」(ノエビア銀座ギャラリー、2022年)企画ほか。

アニー・タイナパク ≪北極の刺し子≫
オリビア・カカサピスク ≪みんな素敵な服≫
『糸と布と物語』
参加アーティスト:iruinai、四辻藍美、是恒さくら
糸と針で布の上に多彩な文様をつくりだすことができる刺繍。カナダの北極圏に暮らす先住民イヌイットの女性たちが制作した壁かけには、刺繍とアップリケで雪と氷の上での伝統的な生活や、獲物である海や陸の動物たち、狩りの様子、伝説などが表現されています。アイヌ刺繍家・四辻藍美はオーストラリアの先住民アボリジニのアートをアイヌ刺繍の技法で表し、美術家・是恒さくらはアメリカ・ニューヨーク州ロングアイランドの先住民シネコックや日本各地を訪ね、鯨にまつわるエピソードに着想を得た刺繍作品を制作しています。本展では糸と布で描かれたさまざまな物語を紹介します。
しらおい創造空間「蔵」白老町本町1丁目7-5
8月28日(日)〜
月曜定休(祝日を除く)
10:00-16:00
梅田哲也
梅田哲也

おもにインスタレーションを制作します。作品はよく建築や音楽のようにとらえられます。なにを作るかは手をつけてみないとわかりません。近年の展覧会に「さいたま国際芸術祭2020」(旧大宮区役所)、「東海岸大地藝術節」(台東、2018年)。個展に「梅田哲也 イン 別府『O滞』」(別府、2020-2021年)、『うたの起源』(福岡市美術館、福岡、2019-2020年)、『See, Look at Observed what Watching is』(Portland Institute for Contemporary Art、ポートランド、2016年)。パフォーマンス作品では『Composite: Variations』(Kunstenfestivaldesarts 2017、ブリュッセル)、『INTERNSHIP』(国立アジア文化殿堂、光州、2016年 / TPAM 2018、 KAAT神奈川芸術劇場ホール)などがある。

回声
僕の作品では、作品を制作し発表する「場」が主となることがほとんどです。人はそこにどう関わるのかというと、演者だけでなく観客も含めて「場」と作品をつなぐ媒介として存在しています。稀に例外はあるにせよ、人を主に置いた場合、ひとりが一生のうちに表現できることなんてたかが知れていると思いますが、「場」が持つ時間軸はときに人のそれとは比較にならないほど膨大なので、「場」を主とした場合、自分という存在は大きなうねりとしての表現軸にちょっとだけ加担している、たまたま一瞬の閃光に居合わせただけの存在にすぎないのだと感じられ、作り手としての自分自身もまた一介の媒介としての役割に取って変わるのです。

今回、当初予定していたプランを変更せざるを得ない状況となり、場所から着想を得るといった普段どおりの手順を踏むことができませんでしたので、もともとあった自分の意思とは遠く離れたところで、現場で事故的に起こることに流れに身を委ねながら、物質から表面的に読み取ることができる要素だけを紡いで制作することにしました。このテキストは深夜25時現在、そうだ自分はもともと即興を最も得意とする人間だった、ということを思い出しながら書いています。作品に使用するのは、海に漂着した(または誰かが砂に埋めた)拾いもの、もとの所有者にとって不要になったいただきもの、そして、開幕まで4日の地点で決定した会場。2022年8月23日、晴れのち曇りのち雨。長い一日のなかで知り合った親切な方々のご厚意でなんとか作品に取り掛かることができそうです。右の掌に息をふきかける。左のボッコを砂に突き立てる。白老さんこんにちは、はじめまして。これから短い一生の間ではありますが、どうぞよろしくお願いします。
旧堀岡鉄工所の奥白老町東町2丁目2-2
月曜定休(祝日を除く)
10:00-16:00
撮影:佐藤雅英
香川軍男
香川軍男

1915年豊頃町生まれ。父が国鉄職員であり、道東各地の鉄道官舎を転々とする。元紋別の海辺にアイヌ・コタンがあり、アイヌの子との交流を通してアイヌ文化に触れる。1933年北見に移転。初めは水彩、戦後は油彩を多く描き、北見市役所に勤務しながら、野付牛中学美術部OBによる美術グループ「凍影社」を活動の中心とした。1941年、版画家・川上澄生の「文明開化往来」に衝撃を受ける。1946年、講演で北見を訪れた川上が香川の『芋版 掌編西洋画史』を絶賛し、二人の交流は作品の交換を通して川上が亡くなるまで続いた。1947年、薯版での年賀状制作をきっかけに、薯版画の制作を本格化し、独自の表現を開拓した。2001年、北網圏北見文化センターにて『薯上遊神 香川軍男展』を開催。2002年死去。

鶴の舞
香川軍男の薯版画
版画集の出版、図書の装幀等、幅広く活躍した香川軍男が制作した貴重なオリジナルの薯版画を中心にセレクトした展示。香川は、薯(いも)という誰もが親しみを感じる食材を画材として使い、薯の断面という限られた空間の中に緻密かつ自由闊達な作品世界を作り続けた。その小さな作品の中に、北海道の生活への想いや、アイヌ文化への共感が込められている。
しらおい創造空間「蔵」白老町本町1丁目7-5
月曜定休(祝日を除く)
10:00-16:00
是恒さくら
是恒さくら

1986年広島県呉市(旧・安芸郡)音戸町生まれ。2010年アラスカ大学フェアバンクス校リベラル・アーツ・カレッジ美術学科卒業。在学中はネイティブ・アート、絵画、彫刻を学ぶ。2017年東北芸術工科大学大学院修士課程修了。国内外各地の捕鯨、漁労、海の民俗文化を尋ね、リトルプレスや刺繍、造形作品として発表する。リトルプレス『ありふれたくじら』主宰。最近の展示に「開館20周年展 ナラティブの修復」(せんだいメディアテーク、2021)、「VOCA展2022」(上野の森美術館)など。2022年春まで北海道苫小牧市に住み、北海道各地の海辺で起きる人と鯨類との関わりを探ってきた。

《鯨寄る浜「椎骨とハマナス」》
素材:布、糸、絵の具
サイズ:各110cm×120cm(2枚1組)
制作年:2021
《鯨寄る浜「顎骨とトドクサ」》
素材:布、糸、絵の具
サイズ:110cm×300cm
制作年:2021
《鯨寄る浜「椎骨とハマボウフウ」》
素材:布、糸、絵の具
サイズ:100cm×200cm
制作年:2021
「ありふれたくじら」のかけら
2019年から度々訪れてきた北海道苫小牧市に、2021年秋から半年間暮らしました。その歳月の中で室蘭から勇払まで巡りながら、東西に弧を描くような海岸線の、鯨にまつわる語りに関心を寄せてきました。地形と地名を知りながら歩き、数千年前の地層から出土する鯨の骨に触れ、漁業の土地の鯨への信仰を知りました。浜辺に漂着した鯨や、季節移動するイルカの群れとの出会いもありました。私が出逢った鯨の物語を縫い取った刺繍作品と、海辺の日光で染めたサイアノタイプ作品を展示します。鯨とイルカにまつわる7話の短編「ありふれたくじらのかけら / Patches of Ordinary Whales」は無料配布します。浜辺でビーチコーミングをするように、拾い集めてみてください。
①cafe 結白老町大町2丁目3-16
木曜定休(他店舗に準ずる)
10:00-18:00
「回遊文庫」
深くて広い海のように広がる本の世界。「回遊文庫」は、鯨たち、イルカたちとともに本の海を旅します。白老町立図書館の蔵書から鯨とイルカに関する資料を集め、アーティスト・是恒さくらの選書と小冊子とともに紹介します。鯨とイルカの生活や体の構造を教えてくれる本、世界と日本の捕鯨の歴史の本、北海道と鯨・イルカの深いつながりを伝える本もあります。さまざまな物語の中では、鯨と人が話をし、イルカと旅をすることもあります。白老から広がる海で出逢った鯨とイルカに関するさまざまな風景や伝承を想像しながら、図書館内にはモビールを、移動図書館車「ななかまど号」(8月27日〜31日のみ一般公開)には車内装飾を制作します。
②白老町立図書館白老町本町1丁目1-3
月曜定休(祝日の場合も休み)
10:00-17:00 ※金曜のみ19:00まで
糸と布と物語
参加アーティスト:iruinai、四辻藍美、是恒さくら
糸と針で布の上に多彩な文様をつくりだすことができる刺繍。カナダの北極圏に暮らす先住民イヌイットの女性たちが制作した壁かけには、刺繍とアップリケで雪と氷の上での伝統的な生活や、獲物である海や陸の動物たち、狩りの様子、伝説などが表現されています。アイヌ刺繍家・四辻藍美はオーストラリアの先住民アボリジニのアートをアイヌ刺繍の技法で表し、美術家・是恒さくらはアメリカ・ニューヨーク州ロングアイランドの先住民シネコックや日本各地を訪ね、鯨にまつわるエピソードに着想を得た刺繍作品を制作しています。本展では糸と布で描かれたさまざまな物語を紹介します。
③しらおい創造空間「蔵」白老町本町1丁目7-5
8月28日(日)〜
月曜定休(祝日を除く)
10:00-16:00
白老アイヌ工芸グループ
白老アイヌ工芸グループ

白老町内にはアイヌの手仕事を伝承している複数のアイヌ工芸グループがあります。
それぞれ毎週メンバーで集まり、女性の手仕事である刺繍をしたり,編み物などを作る活動を行っています。伝統的な着物や袋などのほか、コースターなどの小物や服飾品など、伝統文化を受け継ぎながら、新しいモノづくりに取り組んでいます。
アイヌ工芸グループ
・フッチコラチ
・テケカラペ など

協力:一般社団法人白老アイヌ協会

「カードケース」フッチコラチ
白老アイヌ工芸グループ作品展示
白老町内で活動しているアイヌ工芸グループの作品を紹介します。伝統的なアイヌ刺繍などの針仕事や編物など、今に受け継がれる女性の手仕事の技をご覧ください。
しらおいイオル事務所 チキサニ白老町末広町2丁目6−4
9月6日(火)〜
月曜定休(祝日・休日の場合は、次の平日)
9:00-16:00
鈴木ヒラク
鈴木ヒラク

アーティスト。1978年宮城県生まれ。「ドローイング」を絵と言葉の間にある線の発掘行為と捉え、平面・彫刻・映像・インスタレーション・パフォーマンスなど多岐に渡る手法によってその可能性を拡張し続けている。2009年よりシドニー、サンパウロ、ロンドン、ニューヨーク、ベルリンなどの各地で滞在制作を行い、国内外の美術館で多数の展覧会に参加する他、音楽家や詩人らとのコラボレーションも数多く手がける。2016年よりドローイング研究のための国際的プラットフォーム『Drawing Tube』を主宰。近年は自身のルーツである東北や北海道の環状列石や遺跡のフィールドワークも断続的に行っている。

"輪郭線を思い出す, 2019, 16分2秒, シングルチャンネルビデオ
東京都現代美術館での展示風景
写真: 森田兼次
© Hiraku Suzuki
白老セッション
アイヌの伝統歌「ウポポ」の再生と伝承をテーマに活動する女性ヴォーカルグループMAREWREWのリーダーである音楽家、ヴォーカリストRekpoによるムックリ(竹製の口琴)の演奏とのセッションにより、ライブドローイングを行います。音に呼応しながら、紙の上に石を転がしたりマーカーや枝などで線を描く鈴木の手元を書画カメラが撮影し、その映像を会場に投影します。その場で生まれた音や形が既存の言葉を越えて響き合うセッションの映像と音は、そのまま録画・録音され、会期中にループ上映されます。また、鈴木が近年個人的に継続して行なっている北海道や東北の環状列石や遺跡のフィールドワークの際のメモや写真などの資料の一部を会場内に展示します。
●セッション出演:Rekpo
●音響:牟田口景(WHITELIGHT)
Rekpo

アイヌの伝統歌「ウポポ」の再生と伝承をテーマに活動する女性ヴォーカルグループ、マレウレウのリーダー。2010年、初のミニアルバム「MAREWREW」を発表後、活動を本格化。2011年に自主公演企画「マレウレウ祭り~目指せ100万人のウポポ大合唱!~」をスタートさせ、これまでUA、キセル、オオルタイチ、細野晴臣、後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)を迎えた公演が話題となる。 ワールドミュージックの世界的な祭典Womad(UK)への出演をはじめとするヨーロッパ公演、OKI DUB AINU BANDの海外公演や国内ツアーへも参加するなど、国内のみならず海外でもその活動が注目されている。

旧しらおい発掘堂白老町大町2丁目1-23
月曜定休(祝日を除く)
10:00-16:00
曽我英子
曽我英子

ロンドン大学スレードスクール彫刻学科卒業後、北海道でフィールドワークを行うようになる。ものづくりを通して、その土地の風景や歴史と人々の営みを実際に生活しながら学ぶ。フィールドワークから得た知識や、出会う人々との記憶を辿りながら制作を行い、それらを、映像、テキスト、インスタレーション作品として発表している。アートの視点から、社会環境から 感じる違和感をどう理解し「問う」ことが可能であるかを探求しながら活動を続ける。

根曲り竹〈ビデオ 24:04〉(2019)
秋鮭(2015-2019/二風谷)
ご近所さんの食事(2021/様似)
白老、平取町二風谷、様似という北海道の3カ所で、根曲がり竹のムックル(口琴)、チェㇷ゚ケㇼ(鮭の皮でできた靴)、昆布シト(団子)などの「ものづくり」を通して、近い存在でありながら遠くに感じる人々や文化を見つめ滞在制作した3つの映像作品を展示。自然の生き物と人々の相互的な関係と社会作りという人類の未来への課題をアートの視点から探考し提示する。
①しらおい創造空間「蔵」白老町本町1丁目7-5
月曜定休(祝日を除く)
10:00-16:00
②喫茶 休養林 隣白老町大町2丁目3-10
月曜定休(祝日を除く)
10:00-16:00
竹浦・虎杖浜エリア(竹浦物産竹材店)
吉田卓矢
吉田卓矢

1986 年東京都生まれ、蘭越町在住の画家。17 歳の時に渡米し、ニューヨークとニューハンプシャー州で絵画と彫刻を学び、その後描きたい風景を求めて北海道の蘭越町に移住、アトリエを構えて制作を続けている。また2020 年からは、パートナーである彫刻家の吉田みなみとYoshida Art School を開校。約80 名近くが通い、地域の子どもたちをはじめ多くの人に表現を楽しむ時間を提供し、地域とアートをつなぐ存在として精力的な活動を続けている。蘭越に移住後の戸外制作(プレインエア)を中心に描かれた牧歌的な自然風景、本来そこにいないはずのいきものたち、そして鮮やかな色彩。それらが融合した異世界の様相は、私たちを非日常へと誘う。

「Golden Age」(2021 / private collection)
白老の夢
畑があり、山があり、海があり、全てが白老で循環できる。その豊かなイメージを動物や魚、女の子をモチーフに表現します。
①スーパーくまがい白老町本町1丁目9-41
常時観覧可能
②haku hostel + cafe bar白老町大町3丁目1-7
月曜・火曜定休(祝日を除く)
8:30-22:00
白老の物語
「白老の物語」は、この壁画の隣にある居酒屋「河庄」をテーマに制作しました。河庄は長い間白老で愛されているお店で、現在お店を切り盛りしている夫妻は2代目になります。この夫妻は先代の方から山菜、川や海の幸を実際に採りに行くところから調理までの全てを受け継いで営業しています。その話を聞いて私は、これは本当に美しい白老の物語だと感じ、彼らが山菜や魚を採っている場面を想像してこの壁画を描きました。白老の物語が脈々と受け継がれていくイメージを絵に込めています。
③旧河庄園白老町大町3丁目10-7
9月上旬〜
常時観覧可能
四辻藍美
四辻藍美

小樽市生まれ、東京都国立市育ち、横浜在住。
父親であるアイヌ文化研究家・アイヌ童画作家の四辻一朗氏の影響で、アイヌ刺繍作家となる。長野、神奈川、愛知、広島など各地での作品展とワークショップをとおして、アイヌ刺繍とその背景にあるアイヌの世界の魅力を伝えている。

一本の縄から始まる
アイヌの童話・絵本作家であった父の影響で、アイヌ刺繍の美しさに惹かれ、北海道の博物館などを巡りながら学んできました。着物や頭巾などの服飾品のほか、木彫やゴザの文様を刺繍で表したタペストリーなど、新たな作品を作り続けています。特に色と素材にこだわり、伝統的な技法を用いながらも自由な発想で創りだされる作品の数々を紹介します。
糸と布と物語
参加アーティスト:iruinai、四辻藍美、是恒さくら
糸と針で布の上に多彩な文様をつくりだすことができる刺繍。カナダの北極圏に暮らす先住民イヌイットの女性たちが制作した壁かけには、刺繍とアップリケで雪と氷の上での伝統的な生活や、獲物である海や陸の動物たち、狩りの様子、伝説などが表現されています。アイヌ刺繍家・四辻藍美はオーストラリアの先住民アボリジニのアートをアイヌ刺繍の技法で表し、美術家・是恒さくらはアメリカ・ニューヨーク州ロングアイランドの先住民シネコックや日本各地を訪ね、鯨にまつわるエピソードに着想を得た刺繍作品を制作しています。本展では糸と布で描かれたさまざまな物語を紹介します。
しらおい創造空間「蔵」白老町本町1丁目7-5
月曜定休(祝日を除く)
10:00-16:00

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竹浦・虎杖浜エリア詳細
パフォーマンス・イベント詳細
音声コンテンツ詳細